一般に流通しているたまねぎよりも肉厚で柔らかく、加熱後の甘みが強いため、根強いファンも多く、近年「札幌黄」を好んで使うレストランも増えてきています。その特徴的な味と、入手の難さが、相まって「幻のたまねぎ」と言われています。
「札幌黄」は明治時代に品種として確立し、札幌村から全国に広まりました。昭和時代に生産の最盛を迎え、その後、育てやすい品種が出てきたことにより、生産量が激減しました。現在の作付面積は全体の数%ほどになっています。
一般に流通しているタマネギよりも肉厚で柔らかく、加熱後の甘みが強いため、根強いファンが多く、「札幌黄」を好んで使う飲食店も以前よりも増えてきています。
1871(明治4)年に、初めて札幌で栽培が始まりました。1880年から札幌農学校のブルックス教授らによる指導の下、導入された北アメリカの品種の「イエロー・グローブ・ダンバーズ」、後の「札幌黄」が作られたという歴史があります。国内で最初に食用のタマネギの生産が行われたのが、このエリアということになります。
9月「札幌黄(さっぽろき)」タマネギの収穫が終わり、いよいよ発送が始まります。2007年(平成19年)、「札幌黄」は、「食の世界遺産」と言われる、スローフード協会国際本部(イタリア)の「味の箱舟」に認定されました。 「味の箱舟」は、地方の伝統的かつ固有な在来品種のうち、消えてしまう可能性のある希少な食材を世界的な基準の下で認定されます。
「札幌黄」は、味が濃く、加熱調理をすると辛味が消えてとても甘くなることから、特に煮込み料理に向いています。ビーフシチューやスープカレー、ポトフ、肉じゃがなどがお勧めです。